「複素数平面上の異なる3点O(0), A(α), B(β) に対して α^2-αβ+β^2=0 が成り立つとき、△OABはどのような三角形か」【問題1】
-----
理系の大学受験生と話をしていると、
「複素数平面って何をどうしていいのか分からないんです」
と相談されることがよくあります。
このような状況に陥る最大の理由は、複素数平面を勉強する「時間の少なさ」にあります。
因みに
「y=x^2-2ax+3 (0≦x≦1) の最小値を求めよ」
という問題があったとします【問題2】。
この手の問題は、数学Ⅰを真面目にやっている人にすれば典型的な問題で、与式を
y=(x-a)^2-a^2+3
と変形し、それから放物線の軸x=aと、与えられている範囲の左端・右端との大小で場合分けをしていくことになります。
具体的には、以下の3つの場合に分けていきます。
(1)a<0 のとき
(2)0≦a<1 のとき
(3)1≦a のとき
あらためて冒頭の複素数平面の問題を見ていきましょう。
「複素数平面上の異なる3点O(0), A(α), B(β) に対して α^2-αβ+β^2=0 が成り立つとき、△OABはどのような三角形か」【問題1】
複素数平面をコツコツ勉強している人からすれば「典型的な問題で思いっきり得点源になる問題」なのですが、複素数平面の問題をほとんどやっていない人からすると、何をどうしていいのか分からない問題ということになってしまいます。
【問題2】の放物線の問題は、ほとんどすべての受験生が、学校の課題や模擬テスト、自学で何度もやっている典型問題ですので、条件反射のように、「解法が頭の引き出しから出てきます」。
ここがポイントです。
条件反射のように、「解法が頭の引き出しから出てくる」。
数学はひらめきが大切な科目だ
と思っている人は、少なくないと思います。
でも、大学受験の数学は「暗記科目」なんです。
もう少し具体的に言うと、「このような問題はこう解く」といった「解法を暗記する科目」になります。
【問題2】はその良い例です。
そして、実は【問題1】も解法さえ身についていれば、条件反射のようにスラスラと解けてしまう問題と言えます。
具体的には・・・
<ポイント1>
α^2-αβ+β^2=0 の両辺をα^2 で割る。
すると β/α に関する2次方程式が得られるので、それを解く(多くの場合、解の公式お当てはめることになります)。
<ポイント2>
<ポイント1>で得られた β/α を極形式で表す。
つまり、r(cosθ+isinθ)の形に直す。
☆|β/α|[=r]は OB/OA を表すので、これからOB:OAが出てくる。
☆arg(β/α)[=θ]は∠BOA を表すので、これから∠BOAが出てくる。
これらから、「△OABの形状が定まる」ということになります。
【問題1】を解く上で一番大切なのは<ポイント1>にある、「両辺をα^2 で割る」ことにあります。
何故このようにするのかについては説明することは勿論できますが、ここの部分は「このような問題はこう解く」といった「解法を暗記する箇所」になります。
複素数平面が苦手な人は、やみくもに勉強をするのではなく、「典型的な問題の解法を暗記すること」を念頭に置いて勉強するようにしていきましょう!
この記事へのコメントはありません。