数学の文章問題

「僕は文章問題が苦手なんです」
「うちの子は計算はできるんですけど、文章問題になると全くダメなんです。どうすればいいのでしょう」

study1生徒本人・保護者様より受ける相談のうち一番多いのが、この文章問題です。ではこの文章問題にどう取り組めばいいのでしょう。それについてお答えをする前に、脇道にそれて恐縮なのですが、私の大学院生時代のお話を致します。当時私は、仙台のとある予備校で非常勤講師をしておりました。その予備校で、私は数学を担当しておりました。ある時、先輩格の講師と「数学をどう勉強すべきか」という話になりました。

「数学は暗記科目だ」と断言する先輩講師に対し、私も「数学は発想・ひらめきが何よりも大切だ」と主張し、お互い一歩も譲りません。多少アルコールが入っていたこともあってか(?)、最終的な結論には到達せず、知らぬ間に話題が違うものにとって変わってしまいました。

よく世間では「社会は暗記科目、数学はひらめきが必要」ということが言われます。恐らく読者の多くの方も「数学は発想・ひらめきを必要とする科目だ」と思っていることでしょう。当時の私も何の疑問も抱かずにそう思っておりました。でも、この業界に長年席を置いていると、どうやらそうではないということが分かってきました。

元々数学が得意な生徒がいます。こういった生徒たちには、こちらからアドバイスすることは多くありません。いろんな問題(勿論、厳選した一連の問題)を数多く解いて頂ければ、後は自動的に合格点を確保できるレベルに到達していきます。しかもこのできる生徒というのは、実はやればやった分だけ、知識が身についていきます。つまり、本人からすれば無意識のうちに、いろんなパターンの問題が身についている訳です。

それに対して、数学があまり得意でない生徒の場合、上記の「できる生徒」と同じ勉強をやっても、あまり効果はありません。つまり、同じ問題を扱っても、学力がほとんどアップしないんです。こういうタイプの生徒の場合には、「数学は暗記科目だ」式の勉強法が効果を発揮します。

例えば台形の面積の公式というのがあります。「面積=(上底+下底)×高さ÷2」というあれです。今を去ること約30年前、小学生だった私は、クラスの他の児童と一緒に、先生の後に続いてこの公式を暗唱させられました。最後は1人ずつ見ないで復唱するテストがありました。そのお陰で、今でも台形の面積を扱う場面では、まるで何かの呪文のように、この公式が浮かんできます。まずは公式を暗記する。そしてその公式に数値を1つずつ当てはめていく。すると、自動的に答えが出て来る訳です。

study2実は、文章問題も全く同じです。
まずは「基本となる文章問題」を身に付けることが必要です。
この「基本となる文章問題」というのは、教科書に出てくる例題になります。その例題を、まずは学校の先生の解説をキチンと聞いて理解する。
学校から帰ってきたら、復習をする際に、鉛筆片手に自分で式を立て、実際に解きなおしてみる。
こうすることで、「基本となる文章問題」が身に付く訳です。
つまり、文章問題の「型」をしっかりと暗記する訳です。

教科書で扱う内容が多くなるにつれ、この「型」も多くなっていきます。その場合も、その都度その都度、その「型」を暗記していけばいいんです。そうすれば、自ずといろんな文章問題が解けるようになっていきます。

何も、文章問題が分からないからといって、文章問題の問題集を買ってきて片っ端からやる必要はありません。というより、それは逆効果。まだ「型」が身に付いていない状態で文章問題に取り組んだところで、結果はみえています。かえって自信を無くして、「ああ、俺は文章問題はやっぱり苦手なんだな」と思ってしまうのがオチです。

「継続は力なり」という言葉がありますが、これは勿論、文章問題にもあてはまる訳です。

1年生・2年生のうちは今説明した要領で、その都度問題の「型」を暗記していけばそれでいいのですが、今のこの時期の3年生はそうも言ってはいられません。ではこれまでほとんど文章問題に取り組んでこなかった場合にはどうすればいいのか。この場合でも、やることは同じです。基本となる「型」を1つずつ身に付けていくこと。とにかく、これが最良の方法です。

早稲田大学名誉教授であり、受験数学の神様でもある寺田文行氏は、この辺のことを

数学は書くこと真似ること

と常々おっしゃっていました。

例えば、食塩水の濃度を扱った文章問題があります。この問題の「型」は絶対に覚えて頂きたいものなので、当塾では、受験数学の早い段階で解いて頂くことにしております。この問題を初めて解いた時の結果は、ほとんど悲惨な状態です。つまり、ほとんどの塾生が解けないんです。でも私は全く気には止めません。何故なら、その問題を解いて頂く目的は、「その場で正答を導いて頂く」ことではなく「濃度の文章問題の基本となるべき『型』を覚えて頂く」こと にあるからです。

ほとんどの塾生は、その後の説明でその問題を理解できます。そして同じような問題を解いてもらうのですが、ほとんどの塾生がキチンと正答にたどり着きます。

でも・・・・

違うのはその後です。1ヶ月後、2ヶ月後にまた同じ問題を解いてもらいます。すると、いわゆる「できる生徒」というのはスラスラと正答にたどり着きます。繰り返しますが、1ヶ月前、2ヶ月前には全く手も足も出なかった問題です。それが、1ヶ月後、2ヶ月後にはスラスラと解けるようになっているんです。それに対して「文章問題が苦手だ」という生徒は、

①再度、公式を説明すると正答にたどり着ける
②全くお手上げ

の2つのタイプに分かれることになります。①の場合には必要な公式を忘れていただけで、この文章問題の「型」はキチンと身に付いています。②の場合には、この文章問題の「型」自体を忘れてしまっている訳です。でも、②の生徒にしても、また詳しく解説をして理解して頂くと、その直後は同じような問題がスラスラ解けるんです。

何も私は、「できる生徒」のように、1ヶ月後にスラスラ解けなければいけないと言っている訳ではありません。①の状態でも、②の状態でも、どちらの状態でもいいんです。ここで確認していただきたいのは、この文章問題の「型」さえ身に付いていれば、どのタイプの生徒でも自力で正答にたどり付けているという事実です。

台形の面積を計算するためには、台形の面積の公式さえ覚えていれば答えが得られます。それと同じで、濃度の文章問題を解くためには、それを解くための「型」さえ覚えていれば、答えにたどり着けるんです。

つまり、文章問題が苦手だという生徒は、実は文章問題が苦手な訳ではなく、その問題を解くのに必要な「型」が身についていないだけなんです。

となれば対策は簡単です。

忘れた分だけ復習をすればいいんです。

大切なことなのでもう一度お伝えします。

忘れた分だけ復習をする。

ただそれだけ。

何も真新しい文章問題の問題集を買ってくる必要なんてありません。「型」を身に付けるために、繰り返し復習をすればいいだけなんです。ピアノが上手になるためには、教則本を繰り返し練習し、同時に課題曲を何度も何度も繰り返し練習します。空手が上手になるためには、型を何度も何度も練習し、稽古で実践をします。テニスだって野球だって同じです。基本となる「型」が身に付くように、何度も何度も素振りやノックをする。「型」を身に付けるために、反復して練習するということは、勉強に限ったことではありません。

「簡単な文章問題はできるけど、難しいのができないんです」という場合も同じです。「難しいのができない」のではなく、「難しいタイプの文章問題の『型』がまだ身に付いていない」だけなんです。

塾の教材は、受験に必要な文章問題を、早い段階で一通り終えるように組んでおります。また、回が増えるごとに、レベルを少しずつ難しくするように工夫しております。文章問題に不安がある方は、あらためて問題集を買って来る必要はありません。塾で一度やった問題を繰り返し復習して、キチンとその「型」を身に付けることをお勧めします。

最後に。「ひらめき」とは何か。

実は、模擬テストや本番の入試問題は、単純に「型」に当てはめて解ける問題で半分以上が占められています。でも、模試や入試は工夫を凝らして作られてもいます。「型」に必ずしも当てはまらない、あるいは当てはめづらい問題もあります。その際に必要なのが「ひらめき」です。でも、この「ひらめき」というのは、一通り「型」が身に付いているからこそひらめく訳です。教科書で扱っていない内容から、あるいは全く無の状態から出題されることは決してありません。だからこそ、いろんな「型」を身に付けていれば、初めて出会うタイプの問題にも対応できていくんです。

その対応こそが「ひらめき」です。つまり「ひらめき」とは、数学の勉強をおろそかにしている人には決しておとずれるものではありません。いろんな「型」を身に付け、極限状態まで勉強をしているからこそ、必然的にひらめくものだと私は思います。

「数学はセンスだ」という人がいます。「数学にはひらめきが必要だ」と同じ意味です。でも、数学のセンスがいい人というのは、実は「1%のセンスと99%の努力の賜」だと私は思います。何故なら、「型」が身についていなければ、いかなる「ひらめき」もひらめかないからです。

今なら私は、自信を持って次のように言います。

「数学は1に暗記、2に暗記。そして、努力をおしまなかった人にのみ、ご褒美としてひらめきがおとずれる」と。
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